改憲に反対!約束を守らない政権に改憲などできない!

2018年08月06日

自衛隊安倍晋三首相は今年2月の衆院予算委員会で、憲法9条の1項・2項を変えずに自衛隊を明記する改憲案について「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」と答弁しました。憲法を改正しても現状と何も変わらないと、安心するよう呼び掛けているのです。しかし,安倍首相が私たち国民との約束を守らないことは過去をふり返れば明らかです。

 

 

<約束を守ってこなかった安倍首相>

第一次安倍内閣の2007年に発覚した「消えた年金記録問題」では、最後の一人まで年金を支払うと言っておきながら今なお約2000万件が未解決のままです。

自分の内閣で拉致問題を解決すると言った約束はどうでしょうか。北朝鮮を非難するだけで外交努力をせず、北朝鮮は態度を硬化させる一方です。北朝鮮は拉致問題は解決済みと発表し,問題解決の糸口すら見出せません。

福島第一原発による放射線被害を回復するという約束はどうなったのでしょうか。原発の地元住民の多くが過酷な非難生活を強いられたままです。東京五輪で野球・ソフトボールの会場となる福島県で本当に開催が可能なのか,まったく除染や汚染水処理が間に合っていないと海外メディアからも鋭く指摘されています。

このように数々の重要な約束を守れない安倍首相が自衛隊明記により何ら変更はないと約束しても信じられるわけがありません。

 

<まともな政治対応すらしない安倍首相>

約束を守らないだけではありません。森友学園の問題では,今年3月に決裁文書の改ざんの事実も発覚しました。民主主義の社会において公文書は重要な役割を担います。国会議員が国政の諸問題について討論する場合,討論の土台となる公文書が適正でなければ意味のある政策が形成できないばかりか,有害な政策がまかり通ることすらあります。民主主義の根幹にかかわる問題で,野党が審議拒否をして当然の異常事態です。しかし、安倍首相は、改ざんの責任の所在すら曖昧にしたまま、「働き方改革法案」などの重要法案の審議,採決を強行してしまいました。

 

<安保法制下での改憲は危険>

自衛隊を憲法に明記することが現場の自衛隊員にも良いことだと考える人もいるでしょう。しかし,安倍首相の改憲は,2015年に制定した安保法制による集団的自衛権行使を合憲化することを目的にしています。集団的自衛権は,自国の受けた攻撃を防衛する個別的自衛権とは異なり、米国などがおこなう他国の軍事介入に自衛隊が協力するものです。あらゆる武力行使を否定する9条の下で安保法制が合憲と認められる余地はありませんが,「集団的自衛権の行使が認められた自衛隊」が憲法に明記されることで,安保法制を違憲とは言いづらくなる流れを作り出すことが可能となります。自衛隊の明記の真の目的は安保法制の合憲化なのです。

私たち市民はこれからの改憲論議についてどこに注目すべきでしょうか。

憲法9条改憲だけでなく、緊急事態条項との抱き合わせ改憲がありえます。緊急事態条項は自然災害の発生時などの非常事態に,政府に権限を集中させて国民の権利を制限する条項です。しかし,歴史上緊急事態条項で国民の権利が侵害された例が例は多くあります。仮に抱き合わせ改憲の場合でも,改憲の意味を正面から見据えることが重要です。

 

弁護士  天 久   泰

Comments are closed.