日本政治の大きな展望、大いに語る

2013年01月05日

当事務所の諸隈美波弁護士の司会で、弁護士・仁比そうへい前参議院議員と共産党の若き政治家・田村貴昭さんが日本政治の大きな展望について語り合いました。

諸隈 師走のお忙しいときにありがとうございます。今年は共産党ができて90周年、来年は100周年に向かっての1年目です。そこで今回は、明日や明後日の政治でなく、10年後をも見据えた、大きな政治のお話をお聞きしたいと思います。最初に仁比さんから。

原発ゼロの社会を

仁比 なんと言っても原発をなくす課題ですね。原発事故を二度と起こさせない、それには原発をなくすしかありません。

田村 6月に福島の調査と支援に行ってきました。将来を悲観して自ら命を絶つ農民、1年3ヶ月たってやっと花を愛でる気持ちになったと話す仮設住宅のお母さん。人生、心まで狂わしてしまう原発事故を心から憎みます。

諸隈 私も福島に現地調査に行きました。「なくそう原発!玄海訴訟」の弁護団の一人として。現地の人が、除染問題で、20キロ圏内では今後の10年間の話をしてもムダだと話されるのを聞いて、長期間にわたる苦悩が続くことに被害の深刻さをいっそう感じました。

仁比 除染問題をはじめ、廃炉を決めた福島第一原発で、完全に廃炉にするまで数十年かかると言われています。使用済み核燃料の放射能の影響が完全になくなるまで数十万年かかりますよ。

原告数 一万人をめざして-九州玄海訴訟

田村 そうした中で、若手の弁護士が福島まで出かけ、被害の実態を詳しく調査し、裁判に生かしています。すばらしいことですね。「玄海訴訟」では、原告数が5000人に迫っていますね。

諸隈 はい、最終的には1万人を超える原告数にしようと頑張っています。

田村 仁比さんも弁護団として毎回の法廷に参加されてますね。

仁比 玄海訴訟では、被害の実態を詳しくリアルに示すことで、裁判官により具体的な福島事故の悲惨さを知ってもらい、玄海原発事故が起きたら、取り返しのつかないことになると実感してもらうことが必要だと頑張っています。

最低限の生活保障を

田村 被害の実態と言えば、生活保護の老齢加算廃止に反対する生存権裁判でも、詳しい生活実態を示して闘われていますね

仁比 事実が何よりも雄弁に物事の本質を物語ります。事実の前では、詭弁を弄さない限り何人といえども否定できません。被害者に寄り添うことの大切さ、重要さを何度も経験してきました。

田村 そうですね、先日、NHKで「年金だけで暮らせない」という番組をやっていました。25年かけないと1円も出ない国民年金。生活保護との同時 受給が多くなっていると。その生保も給付抑制の大攻撃にあっている。健康で文化的な最低限の生活ができていない憲法違反の状態を変えたい。集会で一番出さ れる要求は年金の充実です。10年かけたら支給、食べてゆける年金への改善が急務です。

仁比 枝光で演説をしていたら、年配の方から、年金は減らされる、健康保険は引き上げられる、このうえ消費税増税でどう生きていけば良いのかと詰め寄られました。

諸隈 北九州では、先日、生活保護支援九州ネットワーク設立5周年記念集会を開きましたが、たくさんの方が参加されました。反貧困の運動も着実に広がっています。

田村 ほんとうに、国民だけに負担と犠牲を押しつける政治からの転換が強く求められていることをますます実感しています。

安保条約なくせば基地一掃に

仁比 先日、数日間、沖縄各地を回ってきました。米兵による相次ぐ暴行事件に有効な手だてができない日本政府、世界一危険な普天間基地に世界一危険なオスプレイを配備することに日本政府はアメリカの自由なんだといってはばからない。

田村 日本政府は沖縄県民の切実な願いにまったく耳を傾けようとしない。アメリカの顔色ばかりうかがっている。

仁比 沖縄県民の中に、アメリカ言いなりの政治は、日米安保条約があるからだとの認識が広がっています。普天間基地の撤去は、95年の少女暴行事件に対する県民の怒りによって96年の日米政府による返還合意となりました。

田村 ところが両政府が沖縄県内移設に固執したため、15年経っても普天間基地はなくならない。今年、沖縄で「安保なくせ」「見直せ」は、7割を超えた。いまこそ、安保をなくせば基地は一掃できるとの世論を高める時ですね。

要求で共同の広がりが

仁比 いま、多くの様々な国民的課題で、これまで共産党とつながりのなかった人々との間に、要求に基づく1点共同が広がっています。反原発運動はもちろんですが、日本医師会や全国農業共同組合連合会などというように。

諸隈 日本医師会や農協というと、かつては自民党の強固な支持母体だったのでは。

田村 先日、福岡市の演説会で農協から寄せられたメッセージがすごい。「JA福岡市東部は日本共産党と一緒になって、TPP参加に反対しています。消費税の実施を許さず、原発ゼロ、欠陥オスプレイ配備にも反対しています」。自民党一党支持時代から隔世の感がありますよ。

仁比 いま、国民の間で、国民を苦しめてきた政治の原因が、大企業優先の政治とアメリカ言いなりの政治だという認識が広がり始めています。これはかつてないことです。

田村 しかし、その一方で、憲法改悪の急先鋒に立ってきた安倍首相や、石原前都知事、橋下大阪市長の維新の会の動きなど、非常に危険な動きもあります。

仁比 だけど、国民の多くは賢明だと思います。自公政治ではだめ、政権交代すればと期待した民主党政治でもだめだった。いま、国民は本当に願いが実現できる政治を求めていると思います。それが、官邸前の大きな集会であり、各地での集会やデモ、そして共同の広がりです。

田村 維新の会の橋下氏曰く「自分がいやなことはやらないというのが9条だ」。無茶苦茶です。憲法敵視の反民主主義勢力には絶対に負けられない。日 本の二つの病根、アメリカ言いなりと大企業第一の政治を転換してこそ日本が良くなる。このことをしっかりと主張しているのは共産党だけです。いまこそ共産党の出番ですね。

憲法を生活の隅々にまで

仁比 この根底には、憲法があると思うのです。国民が国の主人公、そして平和に生きる権利、文化的な生活を送る権利、人間らしく生きる権利。この憲法を生活の隅々にまで光り輝かせる。このことの必要性がますます重要になってきています。

田村 仁比さんが書かれたパンフレット「憲法が光り輝く瞬間」に、「憲法を語ることは、未来と世界を語ることである。」とありました。

諸隈 そして「新しい政治と社会を願う国民の皆さんと大いに語り合い、憲法を守り生かす政治への転換へさらに全力を尽くしたい。」でしたね。仁比さん、田村さん、ますます頑張ってください。私も弁護士として微力ながら頑張ります。今日はありがとうございました。

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