B型肝炎訴訟の現状について

2014年04月04日

■ 我が国では、昭和23年以降、全ての国民が法律(予防接種法等)によって、幼少期に集団予防接種を受けてきました。その際の注射器の連続使用によって、40数万人(国の推計)もの国民がB型肝炎ウイルスに感染させられました。

 これら感染被害者はこれまで国からの何の救済も受けることなく、将来の発症の不安(キャリア)や、慢性肝炎・肝硬変・肝がんの病気で苦しんできました。これらの被害者が国に対して損害賠償等を求めた裁判が全国B型肝炎訴訟です。

 平成23年6月、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と国との間で「基本合意書」が締結され、それを元に同年12月「特定B型肝炎ウィルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が制定されました。病態に対応する給付金額は次のとおりです。

※ 病態及び給付金額一覧

死亡·肝がん·肝硬変(重度) 肝硬変(軽度) 慢性肝炎 慢性肝炎(発症後20年以上経過し一定の治療あり) 慢性肝炎(発症後20年以上経過し·一定の治療なし) 無症候性キャリア(20年を経過していないもの) 無症候性キャリア(20年を経過したもの)
3600万円 2500万円 1250万円 300万円 150万円 600万円 50万円

  ■ この法律に基づいて、これまでに全国で約1万人、九州各県では約1300人の方が提訴しています。当事務所では、救済制度の周知とともに丁寧な対応を心がけ、現在までに100名を超える方からご依頼をいただいております。

 しかし、推計される感染被害者数に比べ、現時点までの提訴者数はまだわずかです。これは集団予防接種による感染被害にご本人が気付いていないことと、救済制度に関する周知が不十分なことが原因と思われます。

 国に提訴できる期限は平成29年1月12日までとなっていますので、早めに提訴されることをおすすめします。

■ B型肝炎に関する手続を進めるうえでの注意点をご説明します。  まず、現在病気を発症されていない方でも、原告になり認定を受けると、その後病態が進んだ場合に、進んだ時点の病態に応じた差額分を国に対して請求することができます。一度給付を受けた後に追加給付がありえるのです。

 次に、救済範囲を広げるため、弁護団は国との間で基本合意や法律の解釈について協議を行っていますので、一見して基本合意や特別措置法に該当しな いケースでも、このような協議を経て提訴することで救済されることがあります。困難と思われるケースでもあきらめずにご相談ください。

■ 被害を受けた方の多くが、病気の苦しみや将来の不安を抱えています。仕事を失い、家族関係にも亀裂が生じるケースや、感染者に向けられる差別・ 偏見に直面する方もいます。母子感染によって我が子に感染をさせてしまったと自分を責めていらっしゃる被害者の方も多くいらっしゃいます。

 当事務所としては一人でも多くの方の悩みや苦しみに寄り添い、力になれるよう、B型肝炎訴訟についてこれからも全力で取り組んでいきます。

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