労働をめぐるトラブルについて

2016年06月27日

1 はじめに

 日本では、社会に出て働く前に、きちんとした労働者の権利・義務について学ぶ機会がありません。

 このため、労働者も使用者も労働法に関する知識がないことから、結局立ち場の弱い労働者側が、不利益を被ることが多い現実があります。ブラック企業やブラックバイトなどがはびこる原因にもなっています。

2 まず、労働条件の確認を

 就職する際は、まず、自分の労働条件をきちんと確認してから、就職しましょう。労働時間は1日何時間か、賃金はいくらか、ボーナスや退職金の規定はあるのかなど、就業規則をもとに、きちんと確認することが大事です。

 企業は、採用にあたって「雇入通知書」を交付する義務がありますので、まず、その交付を求め、労働条件がどうなっているか確かめてください。

 「雇入通知書」を出さない、10名以上の労働者がいるのに就業規則がない、という企業はルール違反ですので要注意です。

3 よくある相談

(残業)

 残業は、残業に関する協定があってはじめて、労働者に命じることが出来ます。残業を命じることが出来る協定がければ、労働者は残業を拒否することが出来ます。

 残業をさせられているにもかかわらず、残業代の支払いが全くない、または、一部しかないという企業がかなりあります。これも当然ルール違反ですから、未払いの残業代を請求することが出来ます。ただ、その場合、何時間残業したかを証明する資料が必要となります。タイムカードがあれば

 一番良いですが、それに変わる証拠資料(社内メールの送信履歴など)があるかどうかが、鍵になります。

(不当解雇)

労働者側に落ち度がないのに、会社から、首と言われたり、やめて欲しいと言われて、応じている方も多いようです。

正社員か、非正規社員かで差があることもありますが、正当な理由がないのに使用者側が一方的に労働者をやめさせることは出来ませんので、簡単に泣き寝入りしないことです。

(有給休暇)

 有給休暇をとることは、労働者の権利ですので、休む理由に関係なく自由に取得することが出来ます。有給休暇がとれない職場環境であれば、これを改善するように使用者に要求すべきです。

(労災)

 業務上の怪我や病気は、労災保険で補償されます。しかし、企業側は労災を隠したがる傾向にあるため、労災であっても、そのことを労働者に教えなかったり、労働者が労災の証明を求めても、これに協力しない場合があります。労災による補償は重要ですので、これも泣き寝入りしないで欲しいと思います。

4 労働組合

 今まで、述べて来ましたことは、職場に労働組合があれば、多くが解決できることです。職場に労働組合がなくても、個人で入れる地域の労働組合もあります。労働者の権利は、労働組合を通じて実現するのが王道だと思います。

 しかし、労働組合に入ることに抵抗があるという人は、弁護士や労働基準監督署などに相談してみてください。

                                      以上

 弁護士 前田憲徳

(ぱーとなー原稿 「暮らしの法律相談」より転載) 

                        

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