古い債権に基づいて提訴されたらどうする?

2017年06月28日

裁判所とお金1 古い債権に基づいて提訴されたらどうすればいいの?

    最近,特定の消費者金融業者が,古い取引に関する債権に基づいて訴えを提起する事例が数多く見られます。私も,今年度に入ってからだけでも,相当数の相談を受けました。

このような訴えを提起された場合どうすればよいか?結論から言いますと,すぐに弁護士などの専門家に相談することが重要です。

 

2 消滅時効とは?

 消費者金融から借り入れた借金は,原則として,最終取引日(最後の借り入れ日や最後の返済日)から5年間経過すると消滅時効が完成し,債務者が時効を援用(時効の利益を受けようとする意思表示)することで消滅します(ただし,判決が確定したり,裁判上の和解が成立したりしていると,10年間経過しないと消滅時効は完成しません)。そこで,消滅時効が完成している債権に基づいて提訴された場合,裁判において消滅時効を援用することが不可欠となります。

3 採るべき具体的対応

 ここで注意しなければならないことがあります。裁判所から届いた訴状に所定の答弁書が添付され,答弁書に自分の主張を記載して返送するよう指示が記載されていることがあります。

 この場合に,①消滅時効の主張をせずに和解の提案をしたり(「毎月◯円程度なら支払えます」など),②答弁書も提出せずに裁判を欠席したりしてしまうと,原告の請求どおりの判決が出されることがあります。なぜなら,そのような対応により,時効の利益を放棄した,あるいは時効の利益を受けようとする意思がないものと判断される可能性があるからです。そこで,答弁書において,消滅時効を援用することが不可欠となります。

  ただ,時効が完成しているか(最終取引日から5年間経過しているか)?時効の利益を放棄(例「時効完成後に債務の一部を弁済すること」)していないか?など,法的な判断が必要となるケースも多くあります。そこで,答弁書を提出したり,裁判期日が経過したりしてしまう前に,まず,専門家に対応を相談することをおすすめします。

4 時効完成後に債務の一部を弁済してしまった場合

 上に述べたとおり,時効完成後に債務の一部を弁済してしまうと,時効の利益を放棄したものとして,放棄後さらに5年間経過しなければ時効は完成しないことになります。

 しかし,消費者金融業者によっては,突然電話をかけ,少額だけでも返済させ時効の利益を放棄させた上で提訴する業者もいます。そのような場合でも,債務者による消滅時効の援用を認めた裁判例もありますし,それにとどまらず,そのような取り立て方法について組織的な違法性を認定し,債務者からの賠償請求(慰謝料,弁護士費用)が認められた例もあります。

 そこで,このような場合にも,すぐに諦めることなく一度弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。

5 最後に

 当事務所では,土日も休まず毎日法律相談を受け付けておりますので,古い債権に基づいて提訴された場合,まずはお気軽にご相談ください。

弁護士 上野直生

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