外国送達(外国人との離婚)

2018年02月26日

世界地図外国人と結婚したのですが、相手方はしばらくして家を出て行き、連絡が取れなくなって数年が過ぎました。今もどこで暮らしているのかわかりません。戻ってくる見込みもないので離婚したいのですが、どうしたらよいでしょうか。

離婚は、裁判を起こす前に調停を経なければならないのが原則ですが、相手方が調停に応じる見込みが全くない場合は、調停を経なくても裁判することができます。

相手方の所在が分からない場合も、公示送達という方法で、裁判をすることができます。

そこで本件でも、裁判を起こすべく、入国管理局に相手方の所在を問い合わせたところ、本国に帰国している可能性が高いことが分かりました。本国の相手方住所地に対し手紙を送ってみましたが、宛所不明で返送されてきました。

このような事情を踏まえて提訴にいたりました。

訴状を受け取った裁判所は、外国送達という方法で本国に訴状を送達することになりました。

訴状の送達は、裁判権すなわち国家権力の一部の行使ですので、外国の協力なくしてこれを直接行使することはその国の主権を侵害することになります。そこで、各国は互いに助け合って裁判権の行使を可能とするべく、条約を締結するなどして対応しています。これを国際司法共助といいます。

本件の場合も、訴状や証拠に翻訳文をつけ、最寄りの裁判所に提訴しましたが、これらの訴訟書類は、条約に基づき、高等裁判所、最高裁判所事務総局を経て、相手国の中央当局や指定当局を経て相手方当事者に送達されることになります。条約の内容によって、外務省や領事館を挟むこともあります。送達に要する期間は、3カ月から12カ月です。

さて、訴状は無事に相手方に届けられるでしょうか。

このように、相手方の所在不明、外国居住の場合にも、裁判を起こすことができますので、ぜひご相談ください。

弁護士 迫 田   学

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