社会保険加入義務のない臨時採用とは?

2019年09月30日

 

1908 吉武弁~実態は正社員雇用なのに入社当初の二ヶ月間は時給制。二ヶ月間は社会保険加入義務がないのか?

 

実体は当初から正社員雇用であるのに、当初の二ヶ月間は時給制で、その後正式契約をして引き続き雇用されました。

当初二ヶ月間の時給制の期間については、会社から厚生年金法12条の臨時採用として社会保険加入義務がないといわれました。本当でしょうか?

 

厚生年金法12条とは次のような規定です。

「臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であって次ぎに掲げるもの。但し、イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあっては所定の期間を超え、引き続き使用されるに到った場合を除く。

イ 日々雇い入れられる者

ウ 二月以内の期間を定めて使用される者

 

この点、日本年金機構の「疑義照会回答」の中の、区分「被保険者資格取得届」、案件「二月以内の期間を定めて使用される者の被保険者資格について」に次のような疑義回答があります。

 

「Q 「職員の採用において、常勤、非常勤に限らず全ての職員は、二ヶ月間の雇用契約を結び、二ヶ月間の契約満了時に本人の意思確認を行い、職務態度、能力、業務量などを勘案し、契約を見直した上で、希望者については再契約を行っています。こういったケースの場合、当初二ヶ月間の有期雇用契約期間は『臨時に使用される者』として、社会保険の適用除外として取り扱ってもよいでしょうか。」

 

A 臨時に採用される者とは、使用関係の実体が臨時的である者と解されます。事業所において継続的な使用関係に入る当初、身分的な意味で一定期間を臨時の使用人あるいは試用期間という取扱いをしても、ご照会の場合のように継続的な使用関係が認められる場合には、採用当初から被保険者として扱うことになります。」

 

この日本年金機構の回答からすると、本件についても、継続的な使用関係に入る当初、身分的な意味で一定期間を臨時の使用人あるいは試用期間という取扱いをしているにすぎませんから、厚生年金12条の「臨時にしようされる者」にはあたらず、時給制の当初の二ヶ月間についても社会保険加入義務があるといえます。

弁護士 吉武 みゆき

 

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