Q&A 子どもが起こした事件・事故と親の責任

2017年07月05日

謝る影Q 中学生の息子が、友だちにけがを負わせてしまいました。親はどうしたらいいでしょうか。

A まずは相手方を見舞いましょう。道徳上の責任がありますし、息子さんの成長のためにも重要です。

Q 少年院に行ったりするのでしょうか?

A 問題となりうる法的責任には、刑事責任と民事責任があります。

刑事責任については、けがをさせた行為が悪質な犯罪行為に該当すれば、息子さんは、刑事事件の当事者として警察で話を聞かれ、家庭裁判所で審判を受けることもあります。児童相談所の指導を受けることもあります。

 

 

 

Q 損害賠償はどうなるのでしょうか。

A  わざとあるいは不注意で他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負います(民事責任)。

1 子どもの責任

子ども本人に、自分の行為の責任を理解する能力(責任能力)がある場合、子ども自身が損害賠償義務を負います。凡そ12歳程度で責任能力ありとするのが判例です。

2 親の責任①

他方、責任能力がなく子どもが損害賠償義務を負わない場合、親が、子の法律上の監督義務者として、子に代わって損害賠償義務を負うことになる場合が多いです。

ただし、小学校の校庭でサッカーをしていた11歳の子が蹴ったボールが道路に転がり出て、これを避けようとしたバイクが転倒し、運転していた高齢者が亡くなったという事案について、親の監督義務者としての責任が争われた裁判で、最高裁は、サッカーでボールを蹴る行為は一般的に他人に危害が及ぶ性質の行為ではないこと、親が日ごろから躾をしていたことなどから、親に責任はないとしました。この判例が一つの目安になると思われます。

3 親の責任②

子どもが損害賠償義務を負う場合でも、あわせて親が損害賠償義務を負う場合があります。親が、子の監督義務を怠ったこと自体が不法行為にあたる場合です。子に責任があっても資力がない場合が多いことから、親の独自の不法行為責任が問われるのです。

いずれにしても、子どもの年齢、した行為の性質、親が普段子にどんな指導監督をしていたかなどの要素を勘案して、親の損害賠償責任の有無が決まることになります。

4 保険

学校内で起こったケガであれば、被害者は、日本スポーツ振興センターの保険により、治療費等を支払ってもらえます。

また、加害者側でも、本人や家族が加入している保険に個人賠償責任保険がついている場合がありますので、確認のうえ、使えるものは使いましょう。

法的責任の有無の判断は、様々な要素を勘案する複雑な問題ですので、まずは弁護士に相談してください。交通事故以外でも弁護士費用を賄える保険も発売されています。個人賠償責任保険は、弁護士費用も支払いの対象になります。そのほか、無料で法律相談(法テラス利用)できる方法もありますので、お尋ねください。

弁護士 迫田 学

(ぱーとなー原稿 「暮らしの法律相談」より転載)

 

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