後遺障害等級認定結果に納得できない方へ

2016年11月07日

%e4%ba%a4%e9%80%9a%e4%ba%8b%e6%95%851 保険会社から届いた後遺障害等級認定結果

 交通事故で怪我を負い治療が終わった後,保険会社から後遺障害等級認定結果を知らせる書類が届き,「非該当」という結果を見て納得できない方が結構いらっしゃると思います。また,交通事故の後遺障害等級は1級から14級まであるのですが(1級が最重度,14級が最軽度),認定された自分の等級に納得出来ない方もいらっしゃると思います。そして,保険会社から郵送されてきたその書類には「不服があれば異議を申し立てることができます」と書かれていますが,「イギヲモウシタテル」って何?どうすればいいの?と路頭に迷ってしまう方が大多数だと思います。

 今でこそ弁護士としてこのような記事を書いている私ですが,私も学生時代にバイクで事故に遭い,同じような経験をしたことがあります。事故で手首骨折などの怪我を負い治療も終わったある日,事故相手の保険会社から後遺障害等級14級の認定結果が届きました。その認定結果の意味はよく分からなかったのですが,その後保険会社から提案された賠償金額の低さに愕然としました。

2 後遺障害等級認定結果に意義を申し立てる

 私が保険会社から提案された賠償金額に納得できなかったのは,「自分の手首に残った痛みに対する賠償金がこんなに低いはずがない」と感じたためです。結論から言いますと,後遺障害等級認定結果により賠償金額は大きく変わります。その理由は,後遺障害が認定されると後遺障害慰謝料(後遺障害を負ったことに関する精神的ダメージに対する賠償金)と逸失利益(後遺障害により将来得られるべきであった収入が減額されてしまうこと)が損害として認められるのですが,それらは後遺障害等級に応じておおよその相場が決まっているためです(あくまでもおおよその相場であり,個別の事情により異なります)。そのため,保険会社から後遺障害等級認定結果と賠償金額の提案が届き,提示された賠償金額に納得できない方には,後遺障害等級認定結果に対する異議申立てを検討されることをおすすめいたします。

 とはいえ,闇雲に異議申立てを行ったとしても,異議申立が認められるためにはかなりの困難を伴います。前述のとおり,保険会社からの提案に納得できなかった私も,弁護士に異議申立てを行ってもらい後遺障害等級を上げてもらうことができ,最終的に納得できる賠償金を手に入れることができました。そこで,異議申立てを行うのであれば,やはり一度弁護士に相談されるべきだと思います。

 ただし,弁護士であれば誰でも後遺障害等級認定結果に対する異議申立てを行うのかというと,残念ながらそうではないと思います。それは,異議申立てが認められる確率が低いということも一因だと思いますが,異議申立てを行ったことがない,どうやって異議申立てを行えばいいか分からない,という弁護士も少なくないと思います。そのため,弁護士に後遺障害等級認定結果に対する異議申立てに関する相談を行う場合,交通事故事件に力を入れている弁護士に相談することが重要だと思います。

 異議申立てを行う場合,既に行われた後遺障害等級認定の際に判断資料とされた資料以外に,新たな主治医の意見書や画像所見などを提出することが重要となります。また,弁護士が異議申立てを行う場合,それらの新たな資料を踏まえ,「後遺障害等級は◯級が相当である」という内容の意見書も提出します。このように,異議申立てを行う場合,獲得目標とする等級の内容を見据えて効果的な意見書や資料が必要となるのです。弁護士は,本件では何級が相当であると見通しを立てた後,主治医と面談するなどして意見書を作成してもらうなどの活動を行うことになります。

3 14級→12級

 数ヶ月前に私が行った異議申立てが認められ,14級が12級に上がった事例を紹介します。それは,事故後首から腕に痛みが出て,治療の甲斐なくその痛みが残ってしまったという依頼者から受任した事件でした。当初14級の認定だったのですが,依頼者の話を聞いてみると,痛みが強く日常生活と仕事に支障が出ており,少なくとも12級(13号)が認定されるべきだと感じました。そこで,通院していた病院からカルテの開示を受け,画像所見と後遺障害診断書を見比べてみると,後遺障害診断書には記載されていないものの,依頼者の痛みを医学的に説明することができる画像所見が記載されていました。そこで,主治医と面談を行った上で,私が質問状を作成して主治医に郵送し,回答書を作成してもらいました。また,事故前後で日常生活と仕事の両面で支障が出ているとのことだったため,依頼者に事故前後で生活がどのように変化したのかについて聴き取りを行い,陳述書を作成しました。そして,私が作成した「12級相当」の意見書にそれらの資料を添付して異議申立てを行い,申し立てどおりの結果を得ることができました。

 このように,弁護士が時間をかけて準備を行い,異議申立てを行ったとしても,異議申立てが認められる確率は高いとはいえません。しかし,自分の体に残ってしまった痛みなどに対して保険会社が提示する賠償金額に納得できない場合,一度異議申立てを検討されるべきだと思います。

弁護士 上野直生

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