市長交際費の無駄遣いを許さない

2010年02月05日
弁護士 後藤 景子
昨年9月1日,福岡高等裁判所の法廷に裁判長の「原判決を変更する」という主文朗読の第一声が響きわたりました。大勢の北九州市民とマスコミで埋め尽くされた法廷は,歓喜に包まれました。

2006年10月,市民オンブズマン北九州は,北九州市において,末吉前北九州市長が支出した市長交際費のうち9件(計95万円)につき,北九州市が末吉氏に返還請求を行うよう求めて福岡地裁に提訴しました。

末吉前市長は,市長交際費という公金を使って有名高級料亭で接待を行い,一人につき2万~3万円を平然と支出しています。中には,出席者3名で市民の手には入りにくい高級焼酎を10杯以上飲んでいる事案もありました。

公金を用いて飲酒を伴う接遇を行う必要性のないことを明らかにするため,情報公開請求を行いましたが,開示された情報は,肝心の接遇相手の氏名・肩書が全て黒塗りでした。

監査請求はあっさり棄却されたため,提訴し裁判所の判断を仰ぎました。

一審は,市民の全面敗訴でした。控訴してあらたに市職員2名を尋問しました。市職員は,「お酒を飲んだことの報告書を作っても意味がない」「黒塗り により市民が接遇の相手方や目的などの情報を知ることができなくても構わない」などと市民軽視の驚くべき証言をしました。また,接遇の相手方の素性につい 質問されても抽象的な証言を繰り返すため,裁判官が「フィクサーか何かですか?」と身を乗り出して問いかける場面もありました。

いかがわしい闇の世界の人物に,市民の公金が使われていいはずがありません。

このような,市側の不誠実な態度に接し,裁判所は冒頭記載のとおり,北九州市に対し9件中6件について末吉前市長に計53万円を返還請求するよう逆転判決を言い渡したのです。

 交際費を市民に隠密裏に支出することを正当化することは民主的かつ健全な行政の確保を目指す地方自治法の趣旨に反するとして,裁判所は市側に黒塗り部分についての立証にも工夫するよう求めました。

6市が上告しましたので,今後も市民オンブズマンの奮闘は続きます。

 市民感覚を無視した市政は絶対に見過ごすことはできません。皆さんも市民オンブズマンになってご一緒に市政監視をしませんか。参加ご希望の方は当事務所までご連絡ください。

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