歴史に学び、秘密保全法の断念へ

2012年08月23日

国民を監視し、

国民の知る権利を奪う秘密保全法

 

準備がすすむ「秘密保全法」

 1985年6月、「日本はスパイ天国だ」と大々的に宣伝して、「国家機密法」がつくられようとしました。

 このとき、多くの国民が自由法曹団などと一緒になって「現行の法律でも秘密を保護することができる。『国家機密法』は国民の知る権利を奪い、人権を侵害する」と反対運動を行いました。日本弁護士連合会も反対決議をあげました。こうして法案は廃案となりました。

 そして今再び「秘密保全法」が準備されています。これには「特別秘密」というまやかしを用意しています。

際限なく拡大する「特別秘密」の範囲

 政府が考えている「特別秘密」は、①国の安全、②外交、③公共の安全及び秩序の維持、に関する情報とされており、きわめて広範囲に及びます。そして、「特別秘密」の指定は、行政機関などが自分で決め、第三者によるチェックは全くありません。

 どんな問題が「特別秘密」なのか、内容はもとより表題さえ「特別秘密」とされますから、「特別秘密」は際限なく拡大されます。

憲法9条に関する情報は「特別秘密」

 「国の安全」に関する情報には、軍事や防衛が含まれます。自衛隊がどんな武器や戦闘機、艦船をもち、どこでどんな演習をしているのか、防衛大臣が 「特別秘密」と指定すれば、国民はこうした情報を一切知ることができません。何らかの方法で知ったとしても、これを「イラクへの派遣反対!」「日米共同演 習はやめよ!」などの行動で公表すると「特別秘密」を漏らしたとして処罰されます。

 憲法9条を守ろうとするおよそすべての行動が処罰の対象とされることになりかねません。軍事産業関係の労働者は、家族や知人にも仕事の話ができなくなります。

政治や経済、環境や地球温暖化も外交秘密

 「TPP交渉は農業を破壊する。アメリカの農産品は残留農薬が心配だ」と主張すると、外交交渉を漏らしたとされ、処罰の対象となりかねません。「地球温暖化防止のため、各国の排出枠は?」などの質問なども「外交交渉秘密を漏らすことを要求した」と処罰される可能性があります。

生活全般が含まれる「公共の安全と秩序」

 原発の安全、福島原発事故の原因、放出された放射線の量、健康や環境への影響などの情報が「国民の不安をあおり、公共の秩序を害する」と「特別秘 密」に指定されかねません。情報の持ち主が“特別秘密か否か”を決めることになっていますから、国民の意思など全く関係ありません。行政が国民に知られた くない情報を「特別秘密」と指定することになります。

普通の国民のプライバシーが守られない

 「わたしは秘密を扱う仕事をしていないから関係ない」とお思いでしょうが決してそうではありません。

 秘密が外部に漏れないように、情報を管理する本人だけでなく、その家族や友人、知人など「本人に身近にあって、本人の行動に影響を与えうる者」も 監視の対象とされ、様々な調査が行われます。住所・学歴・職歴などはもとより、健康や経済状態、交際相手などプライバシーのすべてが調査対象となり、国民 のプライバシーが守れなくなります。

 戦前、軍機保護法があり、取締りの対象は軍事情報だけでなく、国民が日記に書いた旅行の風景や何気なく話した仕事の話にまで及びました。そして国家による国民監視と弾圧体制は治安維持法などへと拡大され、多くの犠牲者を生み出しました。この反省の上に立って85年の「国家機密法」の反対運動が行われ、廃案とされたのです。
 
 現在でも、国家公務員法などによって秘密は守られています。
 
 “悪法は育つ前に摘み取れ”が鉄則です。すでに日弁連も反対運動に立ちあがっています。法案が国会に提出される前に断念させましょう。  

「普天間飛行場」 こんな写真も『特別秘密』と指定され、使用できなくなりそうです

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