空き家等売買仲介の報酬について

2019年01月09日

 不動産売買契約書1 不動産売買等の媒介手数料の原則

 宅地建物取引業者が不動産売買等の媒介をする場合には以下のように媒介報酬額に上限が定められています。

売買代金等(税別)

報酬割合の上限

200万円以下の金額

100分の5.4

200万円を超え400万円以下の金額

100分の4.32

400万円を超える金額

100分の3.24

(「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」正和45年10月23日建設省告示1552号)

 例えば売買価格が税抜400万円であれば媒介報酬の上限は172,800円となります。

2 低廉な空き家等の売買等の媒介における特例

(1)もっとも、平成30年1月1日から、低廉な空き家等(宅地も含む。以下同様。)の売買については媒介報酬の上限が例外的に緩和されました(平成29年12月8日国土交通省告示1555号)。

 空き家等については社会問題になっています。しかし、空き家等は遠方にあるなど現地調査に時間がかかることが多い一方で、老朽化して物件価額が低いために成約しても媒介業者の報酬が伴わず、仲介が敬遠される傾向にあります。

 そこで、空き家等の流通促進のために、400万円以下の低廉な物件については最大で18万円(税別)が報酬の上限とされることになりました。

(2)但し、このように例外に上限が緩和された報酬を宅地建物取引業者が受け取るためには以下のような条件があります。

①上限が緩和されたのは売主から受け取る報酬に限られます。買主から受け取る報酬の上限は従来どおりです。

②「通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するもの」であることが必要です。そこで、例えば当該仲介業者が継続管理しているマンションの単なるオーナーチェンジのように、特段現地調査が見込まれない場合には報酬の上限は従来どおりです。

 なお、ここでいう現地調査等の費用は実費ではなく、人件費等も含みます。

③また、媒介契約時にこのような例外的な報酬額を定めることについて説明と合意が必要です。

④媒介報酬は、税抜18万円以下であるだけではなく、1で述べた原則的な報酬上限に当該現地調査等に要する費用に相当する額を合計した額の範囲内であることが必要です。

 したがって、報酬上限である18万円(税別)の中には、このような現地調査等に要する費用に相当する額も含まれることになります。

 これらいずれかの条件を満たさない場合には、宅地建物取引業者は低廉な空き家等の売却の媒介をしても1で述べた原則的な基準を上限とする報酬しか受けるとることができません。

3 不動産仲介業者に比較的低廉な空き家等の売却の仲介を依頼する場合には、報酬額についてよく説明をうけてから契約をするようにしましょう。

以上

弁護士 吉武 みゆき

(ぱーとなー原稿 「暮らしの法律相談」より転載)

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