築上町解放同盟住民訴訟事件

2010年07月07日

弁護士 田篭 亮博

築上町解放同盟住民訴訟事件

築上町解放同盟住民訴訟事件とは?
1 この事件のことの発端は約38年前に遡ります。昭和46年ころ,当時の椎田町が建設した集会所の一部を「部落解放同盟豊前築上地区協議会」が無 償で借り受け約38年間利用していました。そして,月日は流れ,平成20年,その集会所は県道の拡幅に伴い解体されることとなり,その補償費として築上町 に県から約6000万円が支払われました。そうしたところ,その約6000万円のうち約3200万円がなぜか集会所を無償で利用していた「部落解放同盟豊 前築上地区協議会」に渡されたのです。

 この事実はしばらく明るみに出なかったのですが,平成21年2月ころに新聞報道され明らかになりました。

 築上町の住民は,無償で借りて利用していた解放同盟が約3200万円もの補償金を受け取ることに疑問を感じ,町の約3200万円の支出が違法であるとして提起したのが本件住民訴訟です。

2 また,この住民訴訟では,この補償金の問題の他に,現在,部落解放同盟が再び町所有の集会所を極めて低額の賃料で使用していることも問題としています。

 部落解放同盟は,以前利用していた集会所を立退くための補償料として約3200万円もの大金を受け取っていたにも関わらず,その代替施設として再度,町の集会所を事務所として使用しています。しかも,本集会所の使用を許可したのは,他ならぬ部落解放同盟自身なのです。

 ここは,少し説明が必要ですが,築上町は,部落解放同盟を「指定管理者」(地方自治法244条の2第3項)に指定し,集会所の管理を部落解放同盟 に任せていました。指定管理者は,公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があるときに指定されるのですが,部落解放同盟はその権限を濫用し, 自らに対して不当に低額な賃料で使用させているのです。集会所は,地域住民の共有の場所ですが,その集会所が一民間団体にすぎない部落解放同盟の専用に供 され,そのため地域住民の使用が妨げられています。

3 この2つの違法性を問うために,住民訴訟を提起し,現在,福岡地方裁判所にて係争中です。この住民訴訟のうち,約3200万円の補償費の問題 は,別の住民がすでに住民訴訟を提起しておりました。やはり,どの住民からしても今回の補償料の支払いは納得できないものだったのだと思います。

 今後,補償料の問題については,既に提訴されていました住民訴訟と同一手続で進んでいきます。ご支援のほどよろしくお願い致します。

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