自転車事故にあったら?起こしたら?

2019年07月09日

 

1906分 自転車事故にあったら?(竹内弁)1 自転車による事故

 自転車は皆さんの一番身近にある乗り物だと思います。一方で,自転車による事故は後を絶ちません。

 もしあなたが自転車による事故にあった場合,起こした場合,法的にいかなる問題が発生するのでしょうか。

 

2 損害賠償責任

 民法上,過失により他者に損害を与えてしまった場合,加害者は被害者に対し,その損害を金銭で賠償(支払い)しなければなりません。自動車事故の場合と同じです。

 過失とは,簡単にいうと不注意のことで,走行状況に応じて他人に被害を与えないよう注意して運転する義務を怠ることを言います。

 例えば,法令で定められている義務に違反する無灯火,脇見運転(スマホ操作しながらの運転),傘指し運転,逆走,2人乗りなどの運転行為をした結果事故を起こしたような場合には,過失が認められます。また,法令違反行為がなくとも,見通しの悪い交差点にさしかかった際に減速をしなかったことや,猛スピードで歩道を走行したことといった事情により過失が認められることも十分にありえます。

 この点,自転車を運転していたのが未成年者であっても,親権者が管理監督義務を怠っていたと認められる場合には,親権者自身が損害賠償義務を負う場合があります。

 

3 賠償の内容

 過失により被害者に損害を与えた場合には,加害者に賠償責任が認められる可能性のある損害は以下のとおりです。

 (被害者が傷害を負った場合(※⑦~⑨については後遺症が残った場合))

 ①治療費,②病院までの交通費,③入院雑費,④付添介護費,⑤傷害慰謝料,⑥休業損害,⑦後遺障害慰謝料,⑧逸失利益,⑨家屋改造費用,車両改造費用等

 (被害者が死亡した場合)

 ①葬儀費用,②逸失利益,③死亡慰謝料等

 実際の金額は事案ごとに異なりますが,裁判例においては1億円近い賠償額が認定された事件もあります(神戸地裁判決平成25年7月4日参照)。

 

4 最後に

 自転車は誰でも乗れる便利な乗り物ですが,一方で誰でも加害者になる可能性があります。法令を守ることはもちろんのこと,普段から事故を起こさないように注意して運転することを心がけることで,被害者も加害者も生み出さずに済みます。

 ただ,いくら注意をしていても事故は起こってしまいます。もしも自転車事故の加害者になったときに適切な対応ができるよう,自転車向けの保険に加入しておくことが必要です。

以上

弁護士 竹内 佑記

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