遺言について

2019年03月21日

190226 遺言書(上地先生) 遺言をすることにより,自分の財産を,誰に,どのように相続させるかを決めることができますが,遺言は,厳格な方式が定められており,その定められた方式でしなければ効力を有しないものとされています。そして,民法では特別のものも含めると7つの方式が定められていますが,それらのうち多く利用されているものは,自筆証書遺言と公正証書遺言です。

 自筆証書遺言は,公証人の関与が不要で,証人を用意する必要もありませんので,費用があまりかからず,自分1人だけで簡便に遺言書を作成することができるというメリットがあります。

 また,これまでは,遺言書の全文を自分で手書きしなければなりませんでしたので,記載する財産が多いようなときなどは負担が大きかったのですが,民法が改正されて,遺言書に添付する財産目録については自書することを要しないことになりました。そこで,パソコンで作成した目録を添付したり,不動産の登記事項証明書や預貯金通帳のコピーを目録として添付したりすることもできるようになり,自筆証書遺言がしやすくなりました。なお,この改正法は既に施行されています。

 さらに,自筆証書遺言をした方は,作成した遺言書を自宅で保管することが多いと思いますが,その場合,紛失したり,相続人が隠したりするおそれも否定できません。そこで,新たに遺言書の保管制度が創設され,2020年7月から,自筆証書遺言による遺言書を法務局に保管してもらえるようになりました。

 上記のように自筆証書遺言は,さらに利用しやすくなりましたが,高齢や病気などで手書きが難しい場合には利用できませんし,内容や方式に不備があるために無効になってしまうという心配は,公正証書遺言の方が格段に低いといえます。また,法務局に保管されている遺言書については,家庭裁判所の検認手続は不要となりましたが,遺言をした方が亡くなった後に,相続人の一人が遺言の閲覧などをしたときは,他の相続人へ通知されますので,遺言をしたことを一部の相続人に知られたくないという場合には適しません(この点,公正証書遺言の場合は,検認手続は不要ですし,相続人への通知もされません。)。

 そこで,どちらの方式で遺言をするのが良いかを一般的に言うことはできず,ケースバイケースですので,遺言書の作成をお考えの方は,ぜひご相談下さい。

弁護士 上地 和久

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