B型肝炎訴訟、和解協議進まず

2010年07月07日

  2006年6月16日最高裁は,集団予防接種における注射器の回し打ちによるB型肝炎感染被害の拡大の責任が国にあると断罪し,原告5人への賠償を命じました。

 しかし国は,全国の同様のB型肝炎感染被害者に対しては何らの救済策も講じませんでした。そのため全国10の裁判所で全国B型肝炎訴訟が提起されています。

 2009年11月には肝炎対策基本法が制定され,その前文においても,予防接種によるB型肝炎蔓延の責任が国にあることが明記され,国はB型肝炎 被害者に対し早期に被害回復をしなければならないことは明白です。 国は,本年5月14日に札幌,17日に福岡の裁判所で,裁判所の和解勧告にしたがって 和解協議入りする態度を表明しました。また,原告団の再三の要請によって,長妻厚労大臣と原告団・弁護団との懇談の機会が持たれました。

 しかし,国は,私たちの「早期解決せよ!」「直接交渉する機会をもて!」との声に全く耳を貸さず,何一つ具体的な解決策を示さず,論点の検討にさらに2カ月の時間が必要であるとし,7月の裁判期日まで和解を引き延ばす態度に終始しています。

 最高裁判決からすでに4年,本訴訟が提起されて2年が経過し,さらに,和解勧告から2カ月の期間があったにもかかわらず,現在までの国の対応は,まったく不誠実と言わざるを得ません。

 本訴訟提起後すでに10名の原告が亡くなり,和解勧告後でも2名が亡くなっています。解決が先送りになればそれだけ原告・被害者の命は削られていくのです。

 報道によれば,国は解決のための予算規模の大きさや国民の納得の問題などを口にしています。しかし,命の問題を予算と天秤にかけることは許され ず,また,国の損害賠償責任が予算の有無で左右されるものではないはずです。民主党政権が本当に「命を守る」政治をする気持ちがあるのであれば,直ちに協 議を具体化して早期解決を図るべきです。

 早期解決に向け皆様のご支援をお願い申し上げます。7月6日の次々回協議に向けて難しい判断を迫られそうです。

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