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派遣、パート、アルバイトの労働問題

派遣社員、パート、アルバイトで働いている方についても、一般の労働者と同様の保護が与えられています(労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法など)。

もっとも、それぞれの働き方に応じて以下に述べるような特殊性があります。

 

派遣社員の方へ

賃金や労働時間、派遣期間、業務内容のような労働条件については、派遣元との間で交わす契約内容によって定まります。そのため、解雇や賃金未払いの問題は派遣元との間で解決することになります。また、労災に遭った場合も、派遣元の労災保険を使用して治療や休業補償を受けることになります。

一方で、派遣先は、派遣社員に対する業務上の指揮、命令を行い、安全衛生の確保に第一次的な責任を負っています。そのため、労災事故被害について労災保険による補償では不足する部分は、派遣先との間で解決することになります。

2015年には、偽装請負(派遣と偽って請負の形で労働者を業務に従事させること)のように派遣先が労働者派遣法に違反する行為をした場合に、派遣先会社との間で直接雇用契約の申し込みがされたとみなす制度が創設されました。

 

パート、アルバイトの方へ

いわゆる「パート」あるいは「アルバイト」の労働者については、パートタイム・有期雇用労働法という法律が定められています(正式名称は「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)。

法律では、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」であるパートあるいはアルバイトの労働者について、労働基準法などと並んで、別途、様々な保護をしています。

とりわけ重要なのは以下の点です。
① パートタイム労働者の待遇と通常の労働者の待遇の差は、不合理なものであってはならないこと
② すべての待遇について、パートタイム労働者であることを理由に通常の労働者と差別的に取り扱うことを禁止

 

さいごに

「ブラックバイト」という言葉もありますが、通常の労働者とは違うことを理由として違法な取り扱いを行う使用者もいるようです。

しかし、以上のとおり、一般の労働者と基本的には同様に保護されており、それぞれの働き方に応じた保護も定められています。

少しでもおかしいと思ったらぜひご相談ください。