当初粗職場復帰を求めて横領を理由とした懲戒解雇の有効性を争い、解雇は無効と判断されたが、依頼者は係争中に復帰意欲を失い退職と引き換えに解決金を支払わせて集結した事案
依頼者属性(年代、性別、職業、業種、雇用形態)
男性,30代,正社員
相手会社の属性(建設業等)
卸売業
もともとの訴えや要望
職場復帰
主な争点
懲戒解雇の有効性
解決までの期間
約1年
相談に来たきっかけ
相手会社より懲戒解雇処分を受けたこと
事案の概要
雇用から約2年で,「売上金の横領」を理由として懲戒解雇された。依頼者は,横領の事実を否定。
解決内容
依頼者は職場復帰を望んでいたため,労働審判ではなく,仮処分の申立てを選択。仮処分においては,相手会社が横領の証拠として提出した資料の矛盾等を指摘し,また,横領の事実を認めるかのような「念書」の作成経緯や解釈について主張を行った結果,懲戒解雇は無効であるとして,解雇後の賃金仮払いの命令がなされた。その後,裁判を提起したが,本人も職場復帰への意欲を失ったため,退職と引換えに仮払金を含む解決金の支払を受ける内容で解決に至った。
解決のポイント
従業員による金銭横領は,仮に事実が認められれば当然に懲戒解雇は有効とされる事由であり,労働者側としてはプレッシャーのかかる状況であったが,事実関係について徹底的に争ったことが奏功したと思われる。