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不当解雇された方へ・解雇の種類

雇用主から、突然、あなたはクビです、もう会社に出て来ていただく必要はありません、と言われたら、だれしも驚き、困惑し、どうしてよいかわからなくなると思います。
そんな時には、このホームページを思い出してください。

 

簡単に解雇することはできません。

雇用契約は、使用者と労働者の合意により成立する契約です。

解雇は、この労働契約を、使用者側が一方的に解約する意思表示です。

契約の一当事者が、その意思のみによって一方的に契約の効力を終わらせようとするのですから、解雇が有効といえるためには、様々な要件を満たさなければなりません。

 

解雇予告手当を払うだけではだめ

雇用主が「1か月分の給料を払う」と言っているから、解雇に応じないといけないのでは?それは誤解です。

解雇予告手当を払っただけでは、解雇が有効になることはありません。

 

解雇には正当理由が必要

普通解雇の場合、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合には、権利濫用として無効になります(労働契約法16条)。これに加えて、30日前の解雇予告または30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要なのです。

懲戒解雇の場合、あらかじめ懲戒解雇事由を就業規則に定めておかなければなりません。形式的に懲戒解雇事由に該当することを前提に、懲戒解雇の場合も、解雇が客観的に合理的で、かつ、社会通念上相当であるといえることが必要です。

整理解雇の場合、いわゆる整理解雇の四要件、すなわち、①人員整理の必要性、②解雇回避努力義務の履行、③解雇対象者選定の合理性、④手続の相当性のすべてを満たす必要があります。

以上のとおり、使用者の意のままに労働者を解雇することは認められず、厳格な要件を満たす必要があります。安易な解雇通告は、権利濫用の無効な解雇という場合が少なくないのです。

実際に解雇を通告されたら

まず、解雇には異議があることを示してください。そのうえで解雇通知書、解雇理由証明書の発行を求めましょう。使用者にはこれら書類を発行することが義務付けられています。使用者が一歩的意思表示により雇用契約を解約したことの証明となり、これから効力を争う解雇の存在を確定します。
間違っても、退職届を提出したり、合意退職を内容とする書面に署名したり、解雇を承認するかのような書類に署名させられることがないようにしてください。

速やかに弁護士にご相談ください

不当に解雇通告を受けた時には、速やかに弁護士にご相談ください。経験豊富な弁護士たちが、あなたのお力になります。

 

 

解雇の種類

⑴ 解雇とは

解雇とは,使用者による一方的な労働契約の解約をいいます。

一方的な解約である点で,合意解約(労働者と使用者の合意による労働契約の解約)と区別され,また,使用者からの解約という点で,辞職(労働者からの一方的な労働契約の解約)と区別されます。

このように解雇は,使用者が一方的に労働者との雇用関係を終了させるもので,労働者に与える打撃が大きいですので,正当事由がなければ無効となりますし,また,個別的な法令で解雇が制限されている場合もあります。

⑵ 解雇の種類

解雇には,以下の種類があります。

①普通解雇(狭義)

普通解雇は,後述の懲戒解雇ではない解雇のことをいい,狭義では労働者の能力不足,私傷病による労務不能,職務懈怠,職場規律違反など,労働者の債務不履行を理由として行われる解雇のことをいいます。

②整理解雇

整理解雇は,会社の経営上必要とされる人員削減のために行われる解雇です。普通解雇(広義)の一種ですが,上述した狭義の意味での普通解雇と異なり,会社側の事情によるものですので区別して扱われ,その有効性はより厳格に判断されます。

③懲戒解雇

懲戒解雇は,企業秩序の違反に対する制裁罰である懲戒処分として行われる解雇です。懲戒として最も重い処分で,労働者の再就職の障害にもなりますので,これもその有効性は厳格に判断されます。なお,諭旨解雇とよばれるものもありますが,懲戒解雇を若干軽減した懲戒処分で,労働者に退職届の提出を勧告し,一定の期間内に提出されなかった場合に懲戒解雇とするものです。

 

対処方法

⑴ そもそも解雇なのかどうか確認すること

例えば使用者から退職するように言われたというような場合,解雇ではなく退職勧奨をされたということがあります。

退職勧奨は,使用者から労働者に対して行われる解約の申入れであり,それに労働者が応じた場合,労働契約は合意解約となります。そこで,退職勧奨の場合,労働者が承諾しない限り,雇用関係は解消されませんし,他方で,解雇の正当事由が無いような場合でも,労働者が退職勧奨に応じれば,雇用関係は解消されてしまいます。

そこで,まず,解雇なのか,退職勧奨なのかを確認し,退職勧奨の場合で,退職したくないのであれば,きっぱりと断りましょう。

 

⑵ 解雇理由を説明してもらうこと

次に,解雇であった場合,どのような理由で解雇するのか,使用者に書面で説明してもらいましょう。解雇は不当なものであれば無効となりますが,その判断は解雇の理由が分からないとできませんし,書面で説明させることで「言った,言わない」の争いを防ぐことができます。

労働基準法22条1項,2項では,労働者が求めた場合,使用者は解雇の理由を記載した証明書を遅滞なく交付しなければならないとされていますので,この規定を活用して,使用者に解雇の理由を明らかにさせましょう。

⑶ 解雇に納得できない場合

解雇に納得できない場合,不当解雇であるとして,解雇の効力を争っていくことが考えられます。そこで,そのような場合,自ら退職金を請求するなど退職を前提とした行動はとらないようにしましょう。解雇としては無効でも,使用者による合意解約の申し入れに労働者が承諾したとして,合意解約が成立していると主張されることがあります。

その上で,速やかに弁護士など専門家に相談しましょう。解雇は納得できないが,復職は希望しない(不当解雇をするような職場には戻りたくない)というような場合でも,ご相談下さい。

⑷ 解雇を受け入れる場合

解雇の理由によっては,解雇もやむを得ないという場合もあります。そのような場合でも,使用者は,労働者を解雇しようとする場合,原則として少なくとも30日前にその予告をしなければならず,30日前に予告をしない場合は,30日分の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないとされています(労働基準法20条1項)。そこで,即時解雇のような場合は,解雇予告手当の支払いを求めましょう。なお,懲戒解雇であってもこの規定は適用され,使用者は労働基準監督署長の認定(除外認定)を受けない限り,解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要です。

 

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