懲戒処分の無効確認の判決を勝ち取りました
事実無根の理由で会社から懲戒処分を受けた従業員の方から依頼を受け,裁判所に懲戒処分の無効確認を求めていた裁判で,勝訴判決を勝ち取りました。
一般的に,会社は,その秩序維持のため,労働者に対する懲戒権をもっています。
もっとも,懲戒権を行使するのにも限界があり,
①会社が労働者を懲戒することができる場合であること(懲戒処分を下す理由となるような労働者の問題行為があること)
②労働者の問題行為の性質や態様などからその懲戒処分が社会通念上相当と言えること
この2つを備えていなければなりません。
今回のケースは,上記の①について,問題行為はないとして,懲戒処分の無効を確認する判決を下したのです。
今回の懲戒処分は,懲戒解雇のように,労働者としての法的な地位に影響を与えるような懲戒処分ではなかったので,裁判で処分の無効確認をする利益があるかについても問題となりましたが,この点もクリアして,勝訴判決を勝ち取ることができました。
懲戒処分を受けることで,労働者の方が受ける不利益というのは単に賃金の引き下げなどの有形の不利益にとどまらず,職場での同僚との関係など無形の不利益もあると思います。
そういったいわれのない不利益を是正するための手段として,裁判で処分の無効確認を求める,という方法もあるのです。