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法律コラム
法律コラム
婚姻費用・養育費の算出方法
1 養育費・婚姻費用の計算方法 別居や離婚する場合、婚姻費用(生活費)や養育費がいくらになるのかは気になりますよね。婚姻費用・養育費の金額を概算で知りたい場合は、簡易に算定できる算定表を利用するとよいでしょう。他方、概算ではなくよりより細かく知りたい場合は、計算式に当てはめることで算定表よりも精度が高く計算できます。それぞれメリット・デメリットがありますので用途に合わせて使い分けて頂くのが良……
遺言能力の判断要素
遺言者が有効な遺言をするためには、所定の方式に従って行うことのほかに、遺言をするときに遺言能力があることが必要です。 すなわち、民法は、15歳に達した者は遺言をすることができると定め、また、遺言に関して制限行為能力者制度の適用を排除しており、遺言について行為能力までは必要とはされていません。 しかし、遺言も法律行為ですので、遺言者が遺言の際に、意思能力(遺言内容及びその法律効果を理解判……
遺産分割・相続開始から10年が経過した場合の主張制限(令和3年法改正・民法904条の3)
1 寄与分や特別受益の主張制限 令和3年改正法により民法の一部が改正され、施行日である令和5年4月1日から、遺産分割における特別受益や寄与分による法定相続分や指定相続分の割合を修正する主張が制限されることになりました(以下、「本件主張制限」といいます)。 (1)民法では、一般的に、所有権以外の権利は一定の期間行使されない場合には消滅することとされています(民法166条等)。 令和……
争いがない場合の財産の相続手続き
1 弁護士が相談を受ける相続に関する事件の多くは、相続人間で争いがあるケースですが、希には共同相続人間で争いがないケースもあります。その場合でも、後述する通り、結構面倒ですので、まずは弁護士や司法書士に相談をして、どれ程の手間がかかるのか、どの様な問題点があるかをよく理解した上で、自分達でやるか、専門家に依頼するかを決めたら良いと思います。 2 相続人の特定 相続手……
特別受益とは
1 共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けた者があった場合に、このことを無視して遺産分割を行うとすると相続人間で不公平となります。そこで、特別の贈与を受けている場合は、これを相続分の前渡しと評価して、遺産分割の際に贈与を受けた額を遺産に加え(持ち戻し)た上で、相続分を算定することにしています(民法903条1項)。 2 特別受益とされるもの ア 遺贈は全て特別受益……
相続分の変動(相続分の譲渡・放棄)
1 相続分の譲渡 ⑴ 自分の相続分は、遺産分割の前であれば、他の人に譲渡することができます。 相続分の譲渡を検討するケースは、遺産を相続する意思がなく遺産分割の手続から脱退したい場合や、相続人が多く整理が必要な場合などがあります。 譲渡は、有償で行う場合と、無償で行う場合があります。 また、相続人以外の第三者に譲渡することも理屈上は可能ですが、現実には……
遺言と生前贈与の違い
1 ご自身の財産をどなたかに無償で譲ろうと考える場合、方法として、①亡くなる前にその財産を贈与する方法、②遺言を作成し、亡くなった時点で遺言に基づいて財産を譲る方法があります。この2つの違いを説明します。 2 生前贈与 まず、生前に、ご自身の意思で、財産を贈与する方法があります。 この方法のメリットは、贈与時点で確定的に財産を譲ることができることです。遺言と異……
遺言を撤回したいときは
1 いったん遺言書を作成した後で、事情が変わったり、気が変わったりして、遺言を撤回したくなることがあります。この場合、どういう手続をとれば良いのでしょうか。 2 方法①:「遺言を撤回する」という遺言を作成する まず、「遺言を撤回する」という遺言を作成する方法があります。 ただし、この遺言の撤回は、「遺言の方式に従って」行う必要があります(民法1022条)。つま……
相続放棄をしても残る義務?
相続放棄の制度についてはご存じの方も多いと思います。 家庭裁判所に相続放棄を申し立てて受理されれば、遡って相続人ではなかったことになりますので、被相続人の財産を(マイナスの財産だけでなくプラスの財産も)一切引き継ぐことはありません。 しかし、相続放棄をしても、相続財産の保存義務(管理義務)があることはあまり知られていませんのでご紹介します。 <2023年3月31日以前> 相……
佐賀空港自衛隊駐屯地建設工事差止裁判の報告
1 仮処分を提起しました! 2023年8月29日、佐賀地方裁判所に佐賀空港自衛隊駐屯地建設工事差止仮処分の申し立てをしました。債権者は駐屯地建設予定地の共有持分権者である漁業者(元漁業者を含む。)4名、債務者は国です。 申立ての1カ月前には、これまで、佐賀地域での運動に取り組んでこられた「佐賀空港への自衛隊オスプレイ等配備反対地域住民の会」などが呼び掛けて、「オスプレイ裁判へのキックオ……
面会交流の相場・面会交流の具体的方法等(どんなところで、どんなことをすることがあるか)
1 面会交流とは 父母の離婚後に,未成年子(子どものこと)と非監護親(子と一緒に生活をしていない親のこと)が,未成年子と面会その他の交流を行うことをいいます。 面会交流の方法等については,民法第766条に,父母が協議上の離婚をするときは、父又は母と子との面会及びその他の交流について必要な事項は、その協議で定めること,そして,この場合においては、子の利益を最も優先して……
外国人労働者について
1 外国人の就労の可否は、当該外国人の在留資格によって決まります。在留資格は、パスポートや在留カードによって明らかになります。就労可能な内容を証明する「就労資格証明書」が請求により発行されます。外国人は、その在留資格によって認められる活動に限り行えるのが原則です。 2 外国人労働者についても、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償法、最低賃金法などの各種労働法制が、日本人と変わることなく……
割増賃金の一般論(対象となる労働時間、割増率、時間単位の出し方など)
1 労働時間についての原則 ①労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間を超えてはならない(労基法32条) ②休日は、原則として週1回以上与えなければならない(労基法35条) 労基法は、最低労働条件を定めているので(1条2項)、労基法に定められた上記の原則を下回る労働契約は許されません。例えば、1日の労働時間を9時間、週に45時間の労働時間とするという労働契約は、労働者の同意……
交通事故の治療打ち切りへの対応策
1 交通事故に関する治療費の支払い 交通事故被害に遭った場合、こちらの過失がそれ程大きくなければ、事故の相手方が加入する任意保険会社(以下単に「任意保険会社」といいます。)が治療費を支払ってくれます。 2 任意保険会社による治療費の支払い打ち切り 怪我の状況にもよりますが、早ければ事故から1~2か月後には、任意保険会社の担当者が「●月●日までで治療費の支払いを終了します。」などと……
遺留分侵害額請求権の行使方法
1 基本的な枠組み ⑴ 改正前 改正前民法においては、遺留分を侵害された相続人が行使する権利は、「遺留分減殺請求権」とされ、同権利の行使により、その限度で遺留分侵害行為(贈与、遺贈)の効力は消滅し、目的物上の権利は当然に遺留分権利者に復帰すると考えられていました(形成権=物権説)。そのため、贈与や遺贈が履行されていない場合には履行を拒絶することができ、履行済みの場合には目的物の返還請求……
養育費について
夫婦に子どもがいる場合、離婚する場合は、親権者と養育費を定める必要があります。今回は、養育費がどのようにして決められるのか、支払いがなされない場合にどうすればよいのかについて、ご紹介します。 1 養育費とは? 養育費は、子どもが健やかに成長するために必要な費用です。具体的には衣食住に必要な経費、教育費、医療費などです。離婚しても親であることは変わりませんので、扶養義務があります。そのた……
借金の時効について
Q 今から10年ほど前に、生活が苦しくてサラ金業者であるS社から借金をしました。その後失職してしまい、ここ7~8年くらいは全く返済ができていません。 先日、自宅宛に、S社から「訴訟予告最終通知」という書類が届きました。借金と延滞金を全額返済しなければ、裁判や差押をすると書いてあります。今の収入ではとても返済ができませんが、どうすれば良いでしょうか。 A 返済ができなくなった時点から5年……
後見人ってなに?
Q 後見人ってなに? A 認知症や障害などによって、ものごとを判断する能力が十分でない方(「本人」)について、「成年後見人」が本人を法律的にサポートする制度です。 「法定後見」と「任意後見」の2種類があり、法定後見には後見、保佐、補助の3つの種類があります。 Q どんなときに後見人が必要なの? A もし、あなた自身やあなたの親、きょうだいの方が認知症とな……
ネット注文での「お試し購入」にご注意!!
ネット注文でのトラブル ネットでの買い物も当たり前の時代になってきましたね。今回はネット注文トラブルの記事です。ネット広告を見て健康食品や美容品を「特別価格」と思って購入したら「定期購入」が条件になっており数万円を請求されたという相談が増えています。今回はそのような定期購入トラブルの事例と対策をご紹介します。 Aさんの相談内容 私はネット広告をみて美容クリーム……
試用期間中に解雇されてもしかたない?
1 「試用期間」というと「お試し期間」のように見えて、解雇がいつでも自由にできるように見えるかもしれません。 ただ、実際には試用期間途中でも簡単に解雇して良いわけではありません。 労働者の能力や適格性などを見極めるために、雇入れ後の数か月~1年間、試用期間を設けるということがあります。 その場合も、本採用と同じで、労働者と会社の間で労働契約を締結していることに変わりはありません。……
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