少年法適用 18歳未満も検討
2015年11月4日の西日本新聞に,当事務所の弁護士迫田学の書いたコラムが掲載されました。
『少年法適用 18歳未満も検討』
▼Q 18歳の弟がけんかで相手にけがをさせて逮捕されました。先日、18歳から選挙権が与えられることになったとニュースで知りましたが、少年の刑罰にも影響するのでしょうか。弟は大人と同じ手続きで刑務所に行くのでしょうか。
▼A 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、来夏の参院選から適用される 見込みです。しかしこれは選挙権の年齢であって、少年法の適用年齢は改正されていません。弟さんはこれまで通り、少年法の適用を受けることになります。
現在の少年法では、罪を犯した14歳以上20歳未満の少年はいったん家庭裁判所に送られます。保護者と一緒に呼び出され、調査官に調査されたり、裁判官の審判を受けたりします。その結果、少年院送致や保護観察処分などを受けます。重大な事件の場合は検察官に逆送されることもあり、大人と同じように公開の裁判で審理。判決によっては刑務所に入ります。
現在、少年法の保護対象年齢を「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げるこ とが検討されています。18、19歳を少年法から外してしまうとかえって少年の立ち直りの機会を奪うことにならないか、ひいては犯罪予防に逆効果ではないかという意見もあります。18歳未満への引き下げが「少年の健全な育成」という少年法の目的にかなうのかを慎重に考える必要があります。