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法律コラム
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財産分与総論
1 財産分与 財産分与とは、離婚した当事者が共有する財産を分けて、各自が取得することをいいます。離婚をした一方が他方に対して財産の分与を求める権利を、財産分与請求権といいます(民法768条1項)。 2 財産分与の時期 ⑴ 協議離婚時、または調停離婚時に、財産分与の内容を決定することが一般的です。協議離婚の場合に作成する合意書ないし公正証書に分与の対象財産や分与……
免責不許可に対する即時抗告が認められた事案
破産および免責許可の申立てをしたところ、原審では免責不許可とされたところ、即時抗告が認められて免責が認められた事案について、報告します。 申立者は長らく病気を患って父母と同居しており、父母が高齢になると介護を担当しました。父の認知症による問題行動がひどく、申立人は強い介護ストレスを受けました。 申立人は、父母の援助を受けて、食材等も含めてカード利用で一括払い支払う生活に慣れていました。……
財産分与(住宅ローンが残っているケース)
1 はじめに 今回は、財産分与の中でも住宅ローンが残っているケースについて解説します。 住宅ローンが残っている場合の財産分与は大きく分けて、次の2つのパターンがあります。 ①住宅の価値がローン残額よりも高いケース(住宅の価値>ローン残額) ②ローン残額が住宅の価値よりも多いケース(住宅の価値<ローン残額) ①なのか、②なのかによって処理方法が変わってきますのでケース毎……
面会交流~離婚して子どもと会える?相手が子どもと会わせてくれないがどうしたらいい?~
Q 離婚しても子どもと会える? 離婚しても、親権者とならなかった親や子どもを監護養育していない親には、子どもの監護養育のために適正な措置を求める権利として、面会交流が認められています。 面会交流とは、離婚後又は別居中に子どもを監護養育していない親が、その子どもと会ったり、メールや電話、手紙等で交流をすることをいいます。 民法上も、「父又は母と子の面会及びその他の交流・・・について……
離婚に伴う財産分与について(後編)
離婚は一つの人生の節目です。人生のリスタートを切るためにも結婚中に得た財産からきちんと応分のものを得ておく必要があります。それが財産分与です。財産分与の基礎知識を前後編に分けてご紹介します。今回は後編です。 4 評価基準時と分与の割合 夫婦が婚姻中に協力して形成・維持してきた共同財産について,いつの時点の金額や評価額を基準に,どのような割合で分けるのかという問題があ……
離婚に伴う財産分与について(前編)
離婚は一つの人生の節目です。人生のリスタートを切るためにも結婚中に得た財産からきちんと応分のものを得ておく必要があります。それが財産分与です。財産分与の基礎知識を、2回に分けてご紹介します。 1 財産分与とは 財産分与とは、離婚した当事者が共有する財産を分けて、各自が取得することをいいます。離婚をした一方が他方に対して財産の分与を求める権利を、財産分与請求権といいま……
退職金について
1 退職金請求権について 会社に長年勤務して退職したのに,退職金が支給されなかった,または,減額されたというご相談をお受けすることがあります。 そもそも退職金は,その会社に退職金制度が設けられていない場合や,これまで退職金の支給がされたことがあっても,どのような基準で支給するかがもっぱら会社の裁量に委ねられているような場合は,権利としては認められません。 これに対し,就業規則(退……
同一労働同一賃金の原則シリーズ 1/2
1 法改正 (1)いわゆる「働き方改革関連法」による法改正 いわゆる「働き方改革関連法」(2018年(平成30年)[1]に成立)により、正社員と非正規労働者との不合理な待遇差の解消に関して、以下のような法改正等が行われました。 ①短時間労働者に関する「パートタイム労働法」に有期雇用労働者も組み入れて、通称「パートタイム労働法」[2]は通称「パートタイム・有期雇用労働法」[3]に改……
養育費をきちんともらいたい。養育費の計算の仕方。
1 養育費とは 養育費とは、未成熟な子が社会人として独立自活ができるまでに必要とされる費用のことをいい、生活に必要な経費、教育費、医療費などが含まれます。 夫婦の別居や離婚に伴い、その一方が未成熟な子を引き取って養育することになった場合、子を引き取った親(監護親)は、もう一方の親(非監護親)に対して、養育費を請求することができます。 この養育費の負担義務は、生活扶助義務(自分の生……
固有財産である不動産からの家賃収入と財産分与について
夫婦の一方に、相続財産である不動産からの家賃収入があり、それを原資とする預金等の資産が形成されている場合に、離婚時の財産分与におけるそれらの預金等の資産の処理が問題となります。 1 財産分与対象性について (1)不動産自体 夫婦の一方が不動産を所有していても、それが相続により取得した相続財産である場合には、夫婦が協力して形成した資産ではないので、そのような不動産は、特段の事情がな……
遺産の評価方法
1 はじめに 遺産分割を行うにあたっては,亡くなった方の遺産の範囲を確定すると共に,その遺産の評価額を確定する必要があります。遺産は預貯金,株式,不動産など様々な種類の財産から構成されることが通常で,これを公平に分配する前提として,遺産の経済価値を評価する必要が生じるのです。 以下,遺産分割の場面において,典型的な財産=預貯金,不動産についてどのような評価がなされるかを説明します。 ……
旧優生保護法違憲国賠訴訟大阪高裁判決について
1 旧優生保護法と優生手術 1948年に成立・施行された旧優生保護法は,優生上の見地から不良な子孫の出生を防止することを目的の一つとしていました。そして,一定の要件の下,特定の疾患に罹っている者に対し,強制的に優生手術(不妊手術)を行うことが認められていました。その後も,数回の法改正により,手術対象者の範囲を拡大し,遺伝性を問わず,精神病精神薄弱者についても,保護義務者の同意で手術を行うことが……
賞与
1 賞与とは 賞与は、使用者が労働者に対して支払う賃金の一種であり、一時金、夏季・年末手当等の名称で支給されます。 労働基準法第24条第2項は、賃金は1か月1回以上支払われなければならないとの原則を定めていますが、賞与は、その例外の「臨時の賃金等」として、定期または臨時に、原則として従業員の勤務成績に応じて支給され、その額があらかじめ定められていないものをいいます。 賞与の支給は……
遺産の範囲 ~遺産に含まれない財産~
1 はじめに 相続が発生した場合に,いかなる財産を遺産分割の対象とすべきかについて判断に迷われるものがあると思われます。 本稿では,遺産の範囲(特に遺産に含まれない財産)について説明します。 2 一身専属的な権利 原則として,相続が開始した場合に,被相続人の財産に属した一切の権利義務は相続人がすべて承継することとなります(民法896条)。 しかし,……
会社が倒産した場合の対処
1 はじめに 仮に労働者が会社に対して未払い賃金、解雇予告手当、退職金、損害賠償金等の請求権を持っていたとしても、会社が倒産して消滅した後では、回収することは出来ません。 このような請求権をあらかじめ確保するには、どのような方法が考えられるでしょうか。 2 経営悪化(倒産手続きが開始する前)の段階 ⑴ 証拠資料の確保 会社が正式に倒産手続きを始めて……
遺産分割の手続-協議・調停・審判
1 はじめに 亡くなった方の遺産は,相続人全員に共同帰属している状態となります。この遺産を,相続人の間で誰がどのように取得するかを決める手続を「遺産分割」といいます。 遺産分割の手続には,①遺産分割協議,②調停,③審判という大きく3つの手続がありますので,順に説明します。 2 ①遺産分割協議について 遺産分割協議とは,裁判所を介さず,相続人全員で行う話し……
賃金支払いの原則
1 賃金 賃金とは,使用者(雇用者)が労働者に労働の対象として支払うものです。そのような性質を持つものであれば名称は問いません。 賞与などの一時金は,使用者の自由な裁量で支払われるものであれば賃金性が認められませんが,就業規則や労働契約,労働協約などに支給時期および金額,計算方法が定められている場合には賃金性が認められます。もっとも,実際には規則などに賞与に関する記載があるものの支給基……
相続と税金
相続や遺贈(遺言にもとづく財産の譲渡)によって得た財産に対しては、税金が課されることがあります。 (1)相続税がかかる財産とかからない財産がある? 相続税は、死亡した方の財産を相続や遺贈によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのもの……
労働分野の時効について
1 はじめに 労働分野で発生する請求権にも、時効(一定期間経過後に権利が消滅してしまう制度)が存在します。 たとえば、賃金請求権、付加金請求権、退職手当請求権などの労働分野独自の請求権に加え、民法が適用されるパワハラやセクハラを受けた場合の慰謝料請求権(不法行為に基づく損害賠償請求権、債務不履行に基づく損害賠償請求権)などです。 ご自身の権利を実現するためには、請求権が時効で消滅してしまう前……
親権者はどうやって決まる?
1 はじめに 離婚をするには親権者を決める必要があります。今回は親権者について話をしていきます。 2 離婚するには親権者を決めないといけない 離婚する場合,未成年の子どもについて父母のいずれか一方を親権者と定めなければいけません(民法819条1項)。 親権者については離婚と同時に決める必要があります。 3 親権者に争いがある場合 しかし、どちらを親権者とするかで争いと……
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