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雇用契約の明示に関する諸問題

1 契約内容を知らない労働者たち

雇用契約は、使用者と労働者の合意によって成立します(労働契約法6条)。

この点、雇用問題(解雇、残業代の不払い、パワハラなど)に悩む方々の相談を受ける場合にまず驚くのは、相談者が、ご自身の雇用契約の内容を知らない事例が多いことです。

雇用契約を確定することは、適用される法律が異なったり、適法・違法の判断が分かれたりするため、非常に重要です。

正社員、派遣労働者、パート、アルバイトetc名称にかかわらず、雇用契約を結んで「働く」場合には、契約内容を必ず確認するよう心がけましょう。

 

2 契約内容の通知

使用者は、契約の締結にあたって、雇用契約の内容を明示する義務があります(労働基準法15条1項)。特に、以下の点については、書面によって明示することが義務付けられています(労働基準法施行規則5条2項)。

  • 労働契約の期間
  • 就業場所
  • 始業・終業時刻
  • 休憩・休日に関する事項
  • 賃金の決定方法
  • 退職に関する事項等

この法律は、パート労働者にも適用されます(パート労働者の場合には、昇給、退職手当及び賞与の有無についても書面で明示しなければなりません。)。

つまり、あなたが雇用契約を締結する際、何の書面も交付してくれない使用者や会社は、違法である可能性が高いことになります。そのような職場では、就職後も様々なトラブルに巻き込まれる危険がありますので、注意してください。

なお、事前に通知された条件と実態が異なる場合には、労働者は即時雇用契約を解除することができます(労働基準法15条2項)。

 

3 就業規則の周知

使用者が就業規則を作成している場合には、以下のいずれかの方法によって、労働者に周知することが義務づけられています(労働基準法10条1項、労働基準法施行規則52条の2)。

  • 見やすい場所へ掲示し、又は備え付ける。
  • 書面を労働者に交付する。
  • 磁気テープ等に記録し、かつ、労働者が確認できるように機器を設置する。

実務上は、職場の本棚や壁にかけて保管されていたり、社内のパソコンで確認できるようデータが保存されていたりすることが多いです。

なお、就業規則を新たに作成したり、内容を変更したりした場合には、単に就業規則を確認できる状態にするだけでは足りず、労働者が内容を理解できるよう実質的に周知することが必要です。労働者が内容を理解できていない場合に、「周知」とは認められないと判断した裁判例もありますので、注意が必要です。

以上

弁護士 石井 衆介

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