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離婚の全体像(離婚で決める必要がある7点)~離婚の一般論(離婚、親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割)

離婚の際に決めるべきこと

(1)離婚すること

双方がこれに合意しなければ、以下のその他の条件を決められません。

なお、婚姻中の不貞が離婚原因となっている場合、不貞をした方(有責配偶者)から配偶者に対して、訴訟により離婚を請求しても認められない場合があります。

 

(2)親権者

未成年の子どもがいる場合、誰が親権者となるかを決めなければなりません。

夫婦間で合意できない場合、裁判所では、子どもの利益と福祉を基準として判断されることになります。父母側の事情として監護能力、精神的・経済的家庭環境、居住環境、教育環境、子どもに対する愛情の程度、これまでの監護状況、実家の資産、親族の援助の可能性などが考慮されます。子ども側の事情として年齢、性別、きょうだいの有無、子の意思、婚姻中の環境からどの程度環境がかわるのかなどが考慮されます。

裁判所の調査官が、子の福祉の観点からどちらが親権者としてふさわしいか判断するために、調査を行うことがあります。その場合は、調査官が自宅に訪問したり、子どもから直接意見を聞くということがあります。

 

(3)養育費

夫婦間で合意できない場合、養育費は、養育費算定表を用いて決められます。双方の収入に基づいて、おおよその金額が決まります。毎月一定額を養育費として支払うという形で決められることが多いです。それに加えて進学や病気などで一時金が必要になった場合などは、負担割合を協議するといった条項を定めることもあります。

なお、これに類似するものとして、「婚姻費用」があります。離婚するまでの別居期間中の生活費等です。

 

(4)面会交流

親権者もしくは監護者ではない親が子どもと面会する方法についても決定することが可能です。一般的には、月1回程度会うことを認めると決めることが多く、日程調整やそのための連絡方法の調整なども調停条項の中で決めることもあります。

直接の面会が難しい場合、手紙や写真、動画を送るなどの交流を協議することもあります。

 

(5)財産分与

夫婦が婚姻中に形成した財産は原則として夫婦の共有財産といえます。離婚に際してこの共有財産を分けるのが財産分与です。通常は半分ずつ分けることになります。ただし、婚姻前に既に取得していた財産や相続によって取得した財産は共有財産とはならず、財産分与の対象にはなりません。

対象となる財産としては、不動産、預貯金、有価証券、保険、退職金等が考えられます。

 

(6)慰謝料など

婚姻中のDVや不貞など一方の配偶者の加害行為によって離婚に至った場合、被った精神的苦痛、治療費等の損害について、慰謝料等の損害賠償請求が認められることがあります。離婚理由として多い「性格の不一致」や「価値観の相違」など、どちらかが一方的に悪いわけではない場合は、認められません。

相手方の浮気(不貞行為)が原因で離婚に至るような場合には、浮気相手(不貞相手)に対して慰謝料を請求できることもあります。

 

(7)年金分割

年金分割は、夫婦の一方のみが働き、厚生年金保険等の被用者年金の被保険者等となっている夫婦が離婚した場合に、婚姻中働いていなかった一方が、働いていた他方の標準報酬等(これによって年金額が決まります)を一方の標準報酬等とすることができるとするものです。将来もらえる年金の半分を分けるという制度ではありませんが、標準報酬等の分割を受けることで、将来年金を受給する際に、分割を受けた方は、受給額が上がることになります。

年金分割は、夫婦の一方が働いていなかったとか、働いていてもわずかな賃金しかなかった場合などは、求めるべきでしょう。

 

以上のとおり、離婚を考える場合、決めなければならないことがたくさんあります。悩んでいる方は、相手と話し合う前に、一度弁護士に相談してみてはどうでしょうか。

以上

弁護士 池上 遊