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「労働者」について

労働基準法、労働契約法など、労働者を保護する各法律の対象となるためには、大前提として「労働者」にあたることが必要です。どのような方が「労働者」にあたるかについては、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」(労働基準法9条)、「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」(労働契約法2条1項)などと定義されています。

 

では、より具体的に「事業又は事務所に使用される者」とは、どのような働き方をしている場合を意味するのでしょうか。ここに該当するか否かによって、労働基準法や労働契約法で定められた様々な権利・保護を主張できるかが変わってきますので、重大な分かれ道といえます。

この点、過去の裁判例から、以下のような点が着目されてきました。

 

①時間の拘束性

業務の開始・終了・休憩時間が決められているか、タイムカード等で管理されているか、遅刻や早退に制限があるか。など

②場所の拘束性

業務をすべき場所(事務所、デスク、工場など)が指定されているか、自由に選べるか。

③諾否の自由

好きな仕事をして嫌な仕事を断るという自由があるか。専属契約、仕事の供給量の安定性など。

④指揮命令権

上司から部下へ、業務の過程や手法に細かな指示があるか。

⑤費用の負担

業務にかかる経費を会社が負担するか、自己負担か。

⑥報酬の決め方

固定給か、業務量や成果によって変動するか。時間外加算(残業代)があるか。社会保険や雇用保険に入っているか。

 

これらは、「いずれかに該当すれば労働者である」、「これに該当しなければ労働者ではない」というものではなく、各要素を総合的に考慮して判断されます。特に近年は、「請負」、「委任」、「使用人」、「役員」など、「労働」や「雇用」とは異なる名称の契約でありながら、「労働者」と似たような働き方をする方々が多く報告されています。

ご自身が対象となる「労働者」にあたるか否か、不安に思われる方は1度専門家にご相談されても良いかも知れません。

弁護士 石井 衆介