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慰謝料について

1 はじめに

 今回は、慰謝料が請求できるケースについて解説します。離婚する場合に、慰謝料を請求するという話はよく聞きますよね。

慰謝料が請求できる典型的なケースは不貞行為や暴力(DV)が認められるような場合です。現実の離婚原因として多いと思いますが、性格の不一致では慰謝料は認められません。

 

2 慰謝料が認められる典型例

 慰謝料が認められる典型例は前述のとおり不貞行為や暴力(DV)になります。

ご相談をお受けする場合でも慰謝料を請求したいとして相談される方の多くは不貞行為やDVがあることが多いです。その他、最近はモラハラを理由に慰謝料請求のご相談をお受けすることも増えました。その他は、やや特殊なケースですが性交渉拒否や悪意の遺棄の場合も慰謝料が認められることがあります。

 

3 裁判例等

・不貞

 不貞行為に基づく慰謝料請求は事案が多く慰謝料額もケース毎に大きくことなっているのが実情です。相場として多いレンジは100万~300万のあたりになっています。

 裁判例では平成3年7月16日東京高等裁判所判決は不貞行為に対する慰謝料として200万円が認められています。不貞行為の場合は不貞相手も訴えることが多いと言えます。

 

・暴力

暴力の場合も慰謝料はケース毎に大きくことなります。相場としても数十万~300万程度のあたりだと思いますが、暴力の場合は立証に苦労することが多く立証できずに慰謝料がもらえないか、低額の慰謝料しか認定してもらえないケースもあると思います。

暴力があった場合には病院にいって診断書を記載してもらう、該当箇所を写真でとっておくなどの証拠を確保しておくことが重要となります。

令和2年7月22日東京高等裁判所判決では暴力が原因で離婚に至ったケースについて100万円が認定されています。

 

・モラハラ

 モラルハラスメントは倫理道徳に反した嫌がらせであり、DVが肉体的暴力であるのに対し、モラハラは言動等による精神的暴力ととらえることができます。

裁判例では度を超した遊興生活に耽り、原告から注意を受けても反省の態度を示すことなく、かえって反感を抱き、不満を増大させ、長期間の別居に及んだケースで80万円の慰謝料が認められたものがあります(平成17年2月22日/東京地方裁判所)

また、裁判例では婚姻生活が「原告の人格を否定するような被告の言動等により破綻した」と判断され慰謝料180万円が認められたケースもあります。

 

・性交渉拒否

 その他は、やや特殊なケースですが性交渉拒否や悪意の遺棄の場合も慰謝料が認められることがあります。婚姻から別居まで一度も性交渉に応じてもらえなかったケースで性交渉拒否が原因で婚姻関係が破綻したとして慰謝料150万円が認められたものがあります(平成3年3月29日岡山地裁津山支部判決)。

 

・悪意の遺棄

 また、一方的に別居に踏み切り、その後は生活費の負担等、夫婦間の協力義務を果たすこともなかった事案で悪意の遺棄と評価され50万円の支払いが命じられたケースがあります(平成28年3月31日東京地方裁判所判決)

 

 

4 慰謝料の請求手続き

 慰謝料の請求は離婚手続きと同時に請求していくことが多いと思います。最初は協議(話し合い)で合意を目指しますが、難しい場合には離婚調停や離婚訴訟等の手続きをとっていくことになります。

 

5 終わりに

 慰謝料の金額については個別性が強いため弁護士にご相談されることをお勧めします。また、慰謝料の請求は離婚手続きの一つの要素にすぎませんので、養育費、財産分与等のトータルでみて納得できる条件を獲得していくことが大事になります。

 

弁護士 田篭 亮博