事務所へのご連絡は 093-571-4688までお気軽に

退職と解雇

近年、退職代行サービスが急速に広まり、一部の企業が弁護士法に違反したとして捜査されるまでに至っています。そもそも、退職とはなにか?解雇とはどう違うのか?

今一度、誰しもが直面する労働問題について正しい知識を確認してみましょう。

解雇と退職の違いについて

解雇は、「使用者側」が労働者との間の労働契約を一方的に解約する意思表示のことをいいます。これに対して、退職(辞職)は「労働者側」が一方的に労働契約を終了させることをいいます。なお、「使用者と労働者」が合意により労働契約を終了させることを合意退職といいます。

民法では、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の場合、使用者も労働者も「やむを得ない事由」がないと当事者の一方から契約を解除(解雇・退職)することはできません(民法628条)。期間の定めがない労働契約(無期労働契約)の場合は、使用者も労働者も2週間前に予告すればいつでも契約を解除することができる定めになっています。

しかし、民法の特別法である労働契約法では、使用者が労働者を解雇するためは「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」でなければなりません。労働者にとって、労働契約は自分や家族の生活の基盤となるものですから、使用者は自由に労働者を解雇することができないようになっています。

では、労働者側から退職はどうでしょうか。退職には労働契約法のような厳格な縛りはありません。有期労働契約の場合、先ほどみた民法628条によれば、「やむを得ない事由」が必要となります。しかし、1年を超える期間の定めがある有期労働契約を結んだ労働者は、同条の規定にかかわらず、その労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、自由に退職することができます(労働基準法附則137条)。無期労働契約の場合、何らの理由もなく、いつでも退職が可能であり、労働者の退職の意思表示が使用者に到達した2週間後に労働契約は終了します。

一般的には、退職は簡単にできると言われています。しかし、使用者側からすれば、せっかく雇い入れた人材が急に退職することは相当なインパクトを与えうるものです。このため、退職の意思表示の到達が争われたり、稀に損害賠償請求がされるケースもあるため、注意は必要です。円満に退職できるかどうかについては、法律の専門家に相談することをおすすめします。

以上

弁護士 松井 海理

ご相談予約はこちら▼

ご相談予約

電話:093-571-4688

コラム関連記事はこちら