面会交流の相場・面会交流の具体的方法等(どんなところで、どんなことをすることがあるか)
1 面会交流とは
父母の離婚後に,未成年子(子どものこと)と非監護親(子と一緒に生活をしていない親のこと)が,未成年子と面会その他の交流を行うことをいいます。
面会交流の方法等については,民法第766条に,父母が協議上の離婚をするときは、父又は母と子との面会及びその他の交流について必要な事項は、その協議で定めること,そして,この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならないと定められています。
2 一般的な面会交流
面会交流については,①日時,②引渡し場所,③面会場所,④監護親の立会いの有無,⑤費用負担を取り決めておくことが通常です。
①日時については,「毎月第2日曜日,午後1時から5時まで」などと,曜日と開始時刻,終了時刻を取り決めておくことがほとんどです。当事者で連絡がスムーズにいく場合や未成年子が中高生で自分の判断で非監護親と調整できる場合は、「月1回を目安に当事者間で協議する。」などと抽象的に決めておくこともありえます。
未成年子の学校行事などについて余裕を持って非監護親へ伝えておくと,学校行事の機会を面会に含めてもらうなどの柔軟な対応を求めやすくなります。
②引渡し場所とは,未成年子を非監護親に預ける具体的な場所のことです。面会後に未成年子を引き取る場所も兼ねることがほとんどです。監護親と非監護親の自宅の中間地点や,監護親の自宅付近を指定する場合が多いと感じます。事項の③面会場所が引渡し場所を兼ねる場合もあります。双方の負担にならないような考慮が必要でしょう。
③面会場所については,当日の気候や,雨天時の対応を念頭に,「当事者間で協議する」との抽象的な決め方になることが多い印象です。就学前の幼児の場合は公園やショッピングモールのキッズプレイエリアなどを協議のうえ決めます。少なくとも監護親の目の届かない場所に長時間移動しての面会になるのは,未成年子が自分の意見を述べたり,体調不良を訴えることが可能になる小学校高学年以降になると考えるべきでしょう。
④監護親の立会いの有無は,未成年親の年齢,性別,能力,体調,非監護親との関係性,面会場所などを考慮して,柔軟に決めるべきであるといえます。
特に未成年子が乳児,幼児の段階で意見が対立することがありえます。もっとも,乳児・幼児は体力に乏しく,体調が急変することも多いため,監護親の立会いを認めるべき場合がほとんどでしょう。非監護親の側に立っても,少なくとも監護親が呼ばれればすぐに対応できる場所にいる態様での立会いを受け容れるべきです。
他方で,小学生以上の未成年子の場合は,監護親の立会いを認めない傾向が強まります。
⑤費用負担は,監護親が遠方に住んでいるため,未成年子の交通費などをいずれが負担するかの問題です。この点が争われた裁判例では,面会交流を実現するために費用を現実に支払った者の負担とするという判断があります。したがって,面会交流のための費用は,原則的に非監護親が負担することになります。
もっとも,食事を伴う面会の場合の未成年子自身の食費などについては,常識の範囲内で監護親が負担することで面会がスムーズに行くことが考えられます。その意味で,具体的な費用負担については監護親側の一定の負担も考えるべきでしょう。
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