財産分与 退職金
1 退職金も財産分与に含まれる
退職金は、給与の後払い的性格があるため、財産分与の対象となる可能性があります。
2 支払い済みの退職金
すでに支払われた退職金は、夫婦の共有財産とみなされる場合が多く、財産分与の対象となりえます。
夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を分け合うのが財産分与ですから、財産分与の対象となる退職金の金額は、次の通り計算します。
支給された退職金額×婚姻期間(同居期間)÷勤続期間
3 未払いの退職金
また払われていない退職金については、将来支払われるかどうかが未確定のため、財産分与の対象とならない場合があります。対象となるのは、財産分与請求の基準時において、退職金が支払われることがほぼ確実と言える場合です。
確実性については、退職金規定があるか、勤務先の経営状態からして退職金の支払いが確実と言えるか、退職金支給までの年数の長短などの事情を総合的に判断することになります。
4 計算方法
将来の退職金に支払いが確実と言える場合、財産分与の対象となる退職金の計算方法には、次の二つの考え方があります。
一つは、現時点で退職したと仮定して、その時点で支給される退職金額×婚姻期間(同居期間)÷勤続期間で算出する方法です。
もう一つは、定年退職時に支払われる退職金額×婚姻期間(同居期間)÷定年時の勤続期間によって算出された金額から中間利息を控除した金額とする方法です。