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遺言書の作成

遺言書は相続の際に揉める家族の場合には必要かもしれないけれど、自分のところは揉めないから必要ない、と考えておられる方も多いのではないでしょうか。
遺言書の効用①
確かに、家族の仲がいいと、相続の際もお互いに譲り合ってうまく遺産分割が出来ることも多いと思います。しかし、その場合でも、いざ具体的に遺産をどう分けるかということになると、なかなか上手く行かないものです。お金だけであれば分けやすいのですが、不動産があると、誰が不動産を取るのか、それをいくらと評価するのかなど悩ましい判断に迫られ、仲の良かった家族の間に波風が立つということもあります。これを回避するのが遺言書の主な効用です。
遺言書の効用②
ただ、遺言書の効用はそれだけではありません。
例えば、両親と子ども2人の仲のいい家族で、父親が死亡して相続が発生したときに、母親が認知症で判断能力がない場合を考えましょう。
この場合、母親に成年後見人を付けない限り遺産分割協議は出来ません。やむなく、子どもの一人が家庭裁判所に成年後見人の選任を申立てることになります。そして、子どものいずれかか、弁護士・司法書士などの専門家が成年後見人に選任されます。専門家が選任された場合には母親の財産から報酬を支払う必要があります。
仮に、子どもの一人が成年後見人になったとしても、遺産分割の場面では、成年後見人になった子どもと母親とは形式上は利害が対立しますから、母親の利益を守るために、母親に特別代理人を付ける必要が出てきます。
このように、家族間で遺産分割につき争いがなくても、相続人の中に認知症などで判断能力のない方がおられるとかなり面倒な手続きを踏まなくてはならなくなります。
しかし、父親が遺言書を作成して、遺産分割の内容や遺言執行者を決めておけば、このような面倒な手続きを回避することが可能となります。

 以上

弁護士 前田 憲徳

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